エクイティ・ジャーニー・プロジェクト第2弾の旅では、コレクティブ・インパクトに深く関わる方たちを訪ねます。その一人が、2011年にマーク・クラマー氏と共に「Collective Impact(コレクティブ・インパクト)」を発表し、以来この概念の普及と実践を牽引してきた思想的リーダーの一人、ジョン・カニア氏です。

カニア氏は、社会変革のためのコンサルティング・ファーム FSG(Foundation Strategy Group) の共同創設者として活動し、2011年にスタンフォード・ソーシャル・イノベーション・レビュー(SSIR)誌に記念碑的な論考「Collective Impact」を発表しました。
以降の十数年にわたり、カニア氏の思索はとどまることなく深化し、2015年には、ピーター・センゲ氏、ハル・ハミルトン氏と共に 「The Dawn of System Leadership」 を発表し、複雑な社会課題に向き合ううえでの“システム・リーダーシップ”の核心――全体を見る眼差し、自己省察と対話の促進、信頼関係の構築――を整理しました。以降の実践や理論において、コレクティブ・インパクトとシステム変革をつなぐ重要な土台となっています。2018年には「The Water of Systems Change」を(マーク・クラマー氏、ピーター・センゲ氏と共に)発表。コレクティブ・インパクトをシステム変革の文脈へと拡張しました。さらに、「Centering Equity in Collective Impact(邦題:コレクティブ・インパクトの北極星はエクイティである)」と題した論考では、システム変革の中心にエクイティ(公平性・公正)を据える必要性を明確に打ち出しています。 そして2024年には、「Healing Systems」**(ヒーリング・システム)を発表し、集団的癒しと集合的変容の相互作用の重要性を説きました。これは、彼が2021年に設立した新たな組織 Collective Change Lab の思想的方向性を示すものでもあります。今回のわたしたちの旅では、カニア氏が歩んできた社会変革の探求の軌跡を、ゆっくりと丁寧にうかがいたいと考えています。
事前の対話の中で、日本や東アジアにおけるコレクティブ・インパクトの実践が、まだ十分には紹介されていないことも見えてきました。日本ではこの概念が多くの人びとにインスピレーションを与え、地域課題の解決や官民協働の新しい形を生み出してきました。日本の取り組みが、世界の学びの循環の中で新たな気づきをもたらすことを願っています。
**もし日本で、コレクティブ・インパクトの考え方にひらめきや勇気をもらった、あるいは、自らの組織や地域で新たな取り組みを始められた方がいらっしゃいましたら、ぜひカニア氏へのメッセージをお寄せください。**みなさまの感謝の言葉やご自身の実践の報告などを取りまとめ、責任をもって氏にお届けします。
ご希望される方は以下のフォームからご記入ください。(10分~20分程度)
Appreceation for Collective Impact
もちろん、他の方法でもメッセージをお送りいただけます。
いずれの方法にも対応します(日本語の場合はこちらで機械翻訳します)。以下のメールアドレスまでご連絡ください。
一般社団法人ジャーニー・ホーム
藤村 隆・佐藤 淳